中国でアナログカードゲームを印刷した話_後編

こんにちは、鳴海製作所娯楽部のオレンジじゃない方、なるみです。

宣言通り中国でアナログカードゲームを印刷した話_後編をお送りします。 前篇はこちらになります。

nrmgoraku.hateblo.jp

デジタルサンプル

デジタルサンプルが何を指すのかいまだに分かっていませんが、サンプルを写真に撮って送ることでいいのかなって思っています。

さて、印刷所からデジタルサンプルというものが送られてきました。作ったデータと違う点がないか確認します。

箱のベロに切込みがある

実際のデータには存在しない切込みでしたが、「親切!」と思ってそのままにしました。 f:id:matchqueen:20191105152018p:plain

説明書の点線が消える

折線と思われたのでしょうか。 特にポリシーがあって入れた点線ではなかったのでこれもそのままにしました。 f:id:matchqueen:20191105152200p:plain

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カードにエンボス加工がされていない?

写真で見る限り、ニス加工または未加工の雰囲気があります。 f:id:matchqueen:20191010162246j:plain

画像だけでは判断がつかなかったので、「エンボス加工されている?」「カードのアップ写真を送って」とお願いしました。 すると、「これはサンプルなのでエンボス加工してないよ」と言われました。ははーん、なるほどね。

それ以外の確認

「俺の会社が労働裁判で潰れるわけがない!!」はカードの裏面が2種類あるので、それがあっているか確認しました。

何度かチェックして、「たぶん大丈夫な、はず!」とGOを出します。

次の工程は何になるの?と聞くと、「材料の手配と製造だよ」と教えてもらいました。

紙を折る

取説を機械で折るとき、シワが出てしまうと連絡がありました。

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別の折り方をすると少し良くなると提案いただいたので、その方法に変更してもらいました。

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問題があればすぐに連絡してくれますし、提案もしてくれたので良かったなと思っています。

製造のち、INVOICE

デジタルサンプルチェックにOKを出してから20日ほど経ったある日、会社名の英語を教えてほしいと連絡がありました。 どうやらインボイスに書くために必要らしいです。

www.post.japanpost.jp

見積もりをサークル名であるところの「鳴海製作所娯楽部」で取っていたため、鳴海製作所娯楽部の英語名「Narumi Factory Game Team」と書いてもらいました。本当は税務署に届けている別の屋号があるのでそちらを書いてもらうべきだったのだと思うのですが、いろいろあってこの名前にしてもらいました。

活動実績はあるのでたぶん大丈夫だと思うのですが、税務署にダメって言われたら後で泣こうと思います。

その後、インボイスが送られてきました。確認して問題なければこれで出荷になります。

今回、予備として5セット追加で入れてもらいました。そのため、総金額が実際に払った金額(請求書にある金額)と異なります。きちんと確認します。

出荷

無事中国から出荷されました。

契約している宅配業者もなかったので、宅配業者は印刷所にやりやすいところで手配してもらいました。送料は着払いにしてもらったのですが、請求書が来て、「荷物が届いたら振り込んで」と言われました。また国際送金だぁぁ!!

でも12箱と聞いていたのが6箱に収まったらしいので、送金手数料を足しても問題ない金額だったので良かったです。

宅配業者が見知らぬ名前だった上に請求書の会社名でググってもどれが正解か分からなかったので、印刷所に「webサイトのURL教えて」と聞いたらFedExのURLが送られてきました。難しい。わからなければ聞くに限ります。

www.fedex.com

ラッキングナンバー(追跡番号)も聞き、たまに進捗確認をしていました。

11/1東莞発送で、11/5には東京都江東区に到着していました。

通関

一発で通関が通ると思うなよ。

ということで、見事通関で止まりました。本業(エンジニア職)でもたびたび経験しています。

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困ったときは、そう電凸FedExに電話し、通関で止まったようだという話をしたら、

「折り返し通関部から電話するからちょっと待ってて」

と言われたのでしばし待ちます。1時間後くらいに電話がありました。どうやらインボイスに書かれた品物が何か分かりにくかったようです。「印刷したカードゲームです」と言ったら、「遊戯王みたいな?」と言われたので、「そうです!そんな感じの!」と回答。遊戯王のネームバリューすごい。さすが世界の遊戯王

会社の人にインボイスを見せたら、「【63*88MM 4C+4C】がサイズとカラーだってわかるのは一部の人間」と言われ、「それな」と思った次第。 f:id:matchqueen:20191105143256p:plain

関税

海外から輸入をする際、関税と輸入消費税を支払います。 <追記> 正しくは関税、輸入消費税(国税)、輸入消費税(地方消費税)の3種類です。 </追記>

通関後に税金が確定した後、FedExから「いくらになります」という電話がきました。事前にクレカで払うという話をしていたので、言われるまま、口頭でクレカ番号を言い、支払いを完了させます。

今回の支払額は4万弱。関税が3.2%でした。

着荷

税金を払った翌日、着荷しました!

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感動の対面です。わくわくしながら中身を空けます。

あこがれのシュリンク包装! f:id:matchqueen:20191122110712j:plain

あこがれのエンボス加工! f:id:matchqueen:20191122110748j:plain

印刷も鮮明です! f:id:matchqueen:20191122110839j:plain

問題!なかった! f:id:matchqueen:20191122110923j:plain

検品

全数、パッケージの状態を確認します。

パッケージ折れ

箱の角に配置されていた個体にダメージが散見されました。 次回お願いするときは角の強化を依頼した方がよさそうです。

一番ひどかったのがこれ。段ボール自体も破けて、テープで補強された跡がありました。 f:id:matchqueen:20191122111316j:plain

  この角折れまでをNGラインにし、OK/NGを出していきました。 f:id:matchqueen:20191122111933j:plain

最終的に、遊ぶ分には問題なさそうだけど売るのはうーんなラインが10個ほど出ました。 完全NGは予備分でカバーできたので良いのですが、売るのはなぁという10個をどうするか悩んだので、「これでも欲しいという人がいるならあげちゃおうか」ということでTwitterプレゼント企画をやることになりました(この件は別途ブログに書きます)

ズレ

カードの抜きのズレ?が国産よりも多い印象がありました。私は2mmズレても問題ないようにデザインしているので大丈夫でしたが、ギリギリを攻めると悲しい思いをするかもしれません。

こんな感じに、ちょっとナナメになっています。はむお(ゲームデザイナ)に見せたら「……ナナメ……??」って感じだったので、デザインした人じゃないと気にならないかもしれません。 f:id:matchqueen:20191122113856j:plain

完全NG品を開けたら、これくらい色が違うものがありました。 f:id:matchqueen:20191122121340j:plain

これは実物を見せて、確認を取ってみようと思っています。

まとめ

ということで、今回は『东莞市宏昇印刷有限公司』さんに印刷をお願いしました!

dghsys.d17.cc

もともとはパッケージ屋さんっぽいです。今回のゲムマ2019秋にも企業出展していらっしゃいますので、中国での印刷を検討している方は行ってみると良いのではないかと思います!CEOもめっちゃいい人(中国語で話しかけてくるけど)ですし、担当された営業さん(女性)もすごく頑張ってくれました。 <追記> 担当営業さんは女性ではなく男性でした。中国の営業さんは女性が圧倒的に多いので勝手にそう思い込んでいました。 </追記>

良いところも悪いところもちろん両方あるので、許容できるなら私はアリだと思っています。悪かったところは伝えて次回から直してもらえれば最高ですね!次も500個以上作りたくなったらお願いすると思います!過労死ガチャとかそろそろいい気がする!

実際に印刷されたゲーム「俺の会社が労働裁判で潰れるわけがない!!第二版」G28にて発売しますのでよろしくお願いします! nrmgoraku.com